たまには邦画もいいかと思って観たのがこの本が原作の映画。
国際級アクションサスペンス!
で日本が舞台になると、どうもしみったれた作品が多い中で、
まあまあの出来かなと思ったので、原作も読んでみることにしました。
戦争報道カメラマン・西崎と相棒の新聞記者・落合が、
遭難必至の雪のアルプスを、謎の墜落物体を求めて行くパートと、
西崎の別居中の妻・慶子とカメラマン・青木が、
横田基地で起こった事件の真相を追うパートとが、
次第に重なり合って世界を揺るがす危機の姿が明らかになっていく。
そこそこ分量のある話ですが、
ラスト近くまで程よい緊張感をもって読み進めることができました。
個人的にそこそこ縁のある土地が舞台になっていたので、
雰囲気も想像しやすくて、物語に集中することができたのが良かったです。
残念だったのは最後と本筋の設定。
小説という非現実な舞台だということを理解したうえでですら、非現実的に感じました。
福井晴敏の「亡国のイージス」でも思ったけれど、
日本人作家にハリウッド超大作クラスのアクションシーンを描くのは、
(ゲーム以外では)無理なんじゃないでしょうか。
(「亡国のイージス」は後半読むのが苦痛だったし......)
たしかに日本は世界有数の軍備を持っていると思うけど、
法律的な問題や、何を言おうがアメリカの支配下にあるのは明白なわけで、
軍事的な点から見れば間違いなくぬるい植民地でしょ。
そういう舞台で、そういう事件解決方法というか、そもそもの起点というか、
しらけちゃうくらいありえなーい┐(´ー`)┌
って思うんですよねぇ。
発表が2000年で9.11の前だったとはいえ、
対象となる敵設定も冷戦下の映画のようにワンパターンで説得力がない。
どうしても日本を舞台にどでかい花火を上げたいならば、
ゴジラみたいに完全なSF・ファンタジーの世界にしちゃうしかないと思う。
中途半端な登場人物も2人(しかも子ども)も微妙だったかな。
子どもの取り扱いは映画版の方に軍配をあげたいですね。
まあ、不満なところは瑣末かもしれませんが、
いろいろもったいない作品だと思いました。
本で読むと細かいところが余計に見えるからいけないんだろうな。
雪山を舞台にしたサスペンスでいえば、
真保裕一の「ホワイトアウト」の方が、
規模やその他の面から見ても真実味があったかも。
by JK - 2009/05/06 23:21
| 高嶋哲夫
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